The Beginning Story: Episode 2: Difference between revisions

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(Part A Japanese)
 
(Part B up to page 30)
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じろりと肩越しにまどかを睨むほむら。その表情には、怒りとも悲しみともつかない激しい感情が覘く。驚きに言葉を失うまどか。
じろりと肩越しにまどかを睨むほむら。その表情には、怒りとも悲しみともつかない激しい感情が覘く。驚きに言葉を失うまどか。
だがそれも一瞬で、ほむらはすぐに普段の無表情に戻リ、屋上を去っていく。
だがそれも一瞬で、ほむらはすぐに普段の無表情に戻リ、屋上を去っていく。
==Part B==
口放認後の教室
談笑しながら帰り支度をしている生徒たち。
マイペースに鞄を整理している仁美のところに、既に身支度を終えたまどかとさやかがやってくる。
さやか「仁美ごめん、今日はあたしら、ちょっと野暮用があって...先に行ってるね」
仁美「あら、内紛ごとですの?」
まどか「えっと...」
口ごもるまどか。仁美は勝手に勘違いして頬を赤らめる。
仁美「羨ましいですわ。もうお二人の間に割リ込むむ余地なんてないんですのね...」
さやか「いやだから違うって。それ」
教室を山て行くまどかとさやかを、じっと目で追っているほむら。その背中に、女子Aが声をかける。
女子A「暁美さん、今日こそ帰りに喫茶店寄ってこ」
振り向いて、さも残念そうに微笑むほむら。
ほむら「ごめんなさいね。今日もちょっと急ぐ用事があって...」
口ショッピングモールのファーストフード店
昨日と同じ店に集合しているまどか、さやか、マミ。さやかの手荷物の中には、何やら布て包んだ細長い物体がある。
がっつりバリューセット一人前を食べているさやか。ジュースだけしか頼んでいないマミ。まどかは自分のポテトをキユウべえに食べさせている。
マミ「さて、それじゃあ魔法少女体験コlス第一弾。張り切って行ってみましょうか。準備はいい?」
さやか「準備になってるかどうか分からないけど...」
さやか、持参した包みの端を解いて中身を見せる。やや年季の入った金属バット。
さやか「こっそり体育会席からガメてきたよ。何もないよりはマシかと思って」
マミ、呆れ半分、感心半分の微笑。
マミ「まあ、そういう覚悟でいてくれるのは助かるわ」
さやか「まどかは何か、持ってきた?」
まどか「え?えっと、私は...」
素直に手ぶらで来たとは言えず、慌てるまどか。
あまり深い考えもなく、鞄からノートを取り出して中身を見せる。
見聞きにびっしりと舎かれた魔法少女ルックの三面図と細部と決めポーズ草案。
まどか「と、とりあえず、衣装だけでも考えておこうかと思って...」
しばし呆気にとられるさやかとマミ。それから堪えきれずに笑い山す。
そこでようやく、自分のずれっぷりを自覚して、顔を真っ赤にするまどか。
マミ「うん、意気込みとしては充分ね」
さやか「こりゃあ参った。あんたにや負けるわ」
まどか「うう...」
ロモール改装中エリア、通路
昨日の結界が消えた場所に来ている一行。マミが、手の中で鈍い光を脈打たせているソウルジエムを二人に見せる。
マミ「これが、昨日の魔女が残していった魔力の痕跡。基本的に、魔女捜しは足頼みよ。こうしてソウルジエムが捉える魔力の気配を迪っていくわけ」
さやか「意外と地味...」
口住宅街
ソウルジエムの光の強弱を頼りに、近辺の町並みをそぞろ歩くマミ。その後についていくまどかとさやか。キユウべえはまどかの肩に。

Revision as of 06:51, 16 January 2013


Part A

口一話より 逃げるキユウベえを追うはむら。 キュゥベえを庇うまどかに襲いかかるほむら。 逃げるまどかとさやかに、襲いかかってくる魔女の使い魔。 変身するマミ。使い魔達を薙き払う魔法の攻撃。

口一話の直後 キユウベえの治療を終えて、自己紹介するマミ。 マミ「私は巴マミ。あなたたちと同じ滝原中の3年生。そしてーーキユウべえと契約した魔法少女よ」

口まどかの部屋 目覚まし時計の騒音。はっとして目覚めるまどか。ベッドの中にいる。 カーテンの隙間から朝の光。見慣れた自分の部屋の中を、ぼんやりと見渡すまどか。 まどか「...はうう...また変な夢...?」

幾つもあるぬいぐるみ達に混じって、ちょこんと座っているキユウベえ。まどかと目があった途端、瞬きして、ひょいと手を挙げる。 キユウベえ「おはよう、まどか」

口洗面所 鏡の前で並んで歯を磨いているまどかと詢子。詢子はまだ寝起きの冴えない顔。 詢子「まどか、ゆうべは帰りが遅かったんだって?」 まどか「先輩の家にお呼ばれしちゃって...」 詢子「まー門限とかうるさいことは言わないけどさ、晩飯の前には一報入れなよ。親を心配させすぎるとロクなことになんねーぞ」 まどか「うん...ごめんね」 まどか、ちらりと背後の風呂場を覗う。 洗面器に湯を張って、朝風呂を堪能しているキユウベえ。 まどかM『本当に人には見えないんだ...』

口マミの部屋(回想) マミが住むマンションへと上げられるまどかとさやか。 ワンルームにしては広めの空間。上品でおしゃれに演出された内装。 さやか「つわ...」 まどか「素敵な部屋...」 マミ「一人暮らしだから、遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備もないんだけど...」

x x x

ローテーブルを囲んで座る三人と一匹。 各々にハーブティとシフォンケーキが振る舞われている。 わりと遠慮なく美味しそうに食べているさやかと、やや緊張気味にちょんちょんとつついているまどか。 マミ「...キユウベえに選ばれた以上、あなたたちにとっても他人事じゃないものね。ある程度の説明は必要かと思って」 さやか「うんうん、何でも訊いてくれたまえ」 まどか「さやかちゃん、それ逆...」 マミは笑って、ペンダントのソウルジェムを取り出し、見せる。 マミ「これが、ソウルジエム」 まどか「わあ、綺麗...」 マミ「キユウベえに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ。魔力の源であり、魔法少女であることの証でもあるの」 さやか「契約って?」 キュゥベえ「僕は君たちの願い事を、なんでもひとつ叶えてあげる」

さやか「えッ?本当?」 まどか「願い事って...」 キユウベえ「何だって構わない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」 さやか「うお...金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか!?」 まどか「いや、最後のはちょっと...」 キユウベえ「でも、それと引き換えに出来上がるのがソウルジエム。この石を手にした者は、魔女と戦う使命を課されるんだ」 まどか「...魔女?」

口洗面所 再び、鏡の前で身支度中のまどかと絢子。 まどか「ね~、ママ?」 詢子「んん?」 まどか「もしもーーもしも、だよ? 魔法でどんな願い事でも叶えてもらえる、って言われたら、どうする?」 詢子「専務を二人ばかり余所に飛ばしてもらうわ」 まどか「わ~」(困ったヒトだなあ、もう) 詢子「後はそーねー、社長もさー、もう無理が利く歳じゃねーんだからそろそろ隠居考えてほしいんだけど、代わりがいないってのがねえ...あのドラ息子は二代目の器じゃねえしなあ・・・・・」 まどか「いっそママが社長さんになっちやったら?」 メイクの手を止め、はっとなる詢子。 詢子「その手があったか」 まどか「...ママ?」 まどかを余所に、腕組みして、真顔で考え込む詢子。 詢子「営業部にさえしっかり根回ししとけば、企画部と総務は言いなりだし...そうなると問題は経理のハゲかあ。ふむ・・・・・」 まどか「ママ、目が恐いよ...」

口マミの部屋(回想) さやか「魔女って何なの?魔法少女とは違うの?」 キユウベえ「願いから生まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから生まれた存在だ。魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を撒き散らす。しかもその姿は普通の人間には見えないからタチが悪い。不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみといった負の衝動...そういう禍の種を世界にもたらしているんだ」 マミ「理由のはっきりしない自殺や殺人事件は、かなりの確率で魔女の呪いが原因なのよ。形のない悪意となって、人間を内側から蝕んでいくの」 さやか「そんなヤバイ奴らがいるのに、どうして誰も気付かないの?」 キュゥべえ「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで、決して人前には姿を現さないからね。さっき君たちが迷い込んだ迷路のような場所がそうだよ」 マミ「結構、危ないところだったのよ。あれに呑み込まれた人間は、普通は生きて帰れないから」 思い出して、身震いするまどか。 まどか「マミさんは、そんな恐いものと戦ってるの?」 マミ「そう、命懸けよ。だからあなたたちも慎重に選んだほつがいい」 やや真顔になるマミ。 マミ「キユウベえに選ばれたあなたたちには、どんな願いでも叶えられるチャンスがある。でもそれは死と隣り合わせなの」 まどか「ううう...」 さやか「うわぁ、悩むなあ...」 ややビビるまどかと、考え込むさやか。 さやか「でも美味しい話だよね~。どんな望みでも叶えてもらえるんだもんねえ...」 マミ「そこで提案なんだけど、二人とも、しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」 まどか、さやか「ええツ!?」 マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で見て確かめてみればいいわ。その上で、危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか、じっくり考えてみるべきだと思うの」

口通学路 通学途中の生徒の群れ。 昨日と同じく、さやかと仁美のところに後から合流するまどか。 ただし今朝のまどかの肩にはキユウベえが鎮座している。 まどか「おつはよー」 仁美「おはようございます」 キユウベえ「おはよう、さやか」 さやか「う...あ...」 さやかは、仁美ほか周囲の誰もがキユウベえの存在に気付いてないと知り、言葉に詰まる。 仁美「...?どうかしましたか?さやかさん」 さやか「(まどかに)やっぱソイツ...見えないんだ。人には」 まどか「(やや困った笑い)そうみたい」 仁美「...?」 まどか、口を噤んだままさやかに思念を送る。 まどか『頭で考えるだけで、会話とかできるみたいだよ」 いきなりテレパシーを送られて、動揺するさやか。 さやか『ええツ!?あたしたち、もう既にそんなマジカルな力が?』 キユウベえ『いやいや、今はまだ僕が間で中継してるだけ。でも内緒話には便利でしょ?』 さやか『なーんか...変なカンジ』 さやかとまどかの不可解な態度に、小首を傾げる仁美。 仁美「お二人とも、さっきからどうしたんです? しきりに目配せしてますけど」 まどか「えッ? いや、これはッ、あの、その...」 仁美「まさか二人とも、既に目と目で分かり合う間柄ですの? まあッ、たった一日でそこまで急接近だなんて!昨日はあのあと一体何が!?」 一人で妄想に赤面して身もだえする仁美。やや白けるまどかとさやか。 さやか「いや、そりゃねえわ流石に」 まどか「確かに色々あったんだけどさ...」 仁美「でもいけませんわ、お二方、女同士で...それは禁断の恋の形ですのよ!」 まどか「...今日の仁美ちゃん、なんだかさやかちゃんみたいだよ?」 さやか「どーゆー意味だよう? それはッ!」

口教室 ホームルーム前のひととき。雑談に興じるクラスメイたちをよそに、念話で会話するまどか、さやか、キユウベ‘ぇ。 さやか『つーかさ、あんた、のこのこ学校までついて米ちゃって良かったの?』 キユウベえ『どうして?」 さやか『言ったでしょ。昨日のあいつ、このクラスの転校生だって。あんた、命狙われてるんじゃないの?』 キユウベえ『むしろ学校の方が安全だと思うな。マミもいるし』 まどか「マミさんは三年生だから、クラス、ちょっと遠いよ?』 マミ『ご心配なく。話はちゃんと聞こえてるわ』 さやか「わっ』 まどか『あっ、えっと...ぉ、おはようございます」 x x x 三年生の教室。席について、頬杖をついて目を閉じているマミ。一見居眠りしている風に見えるが、ソウルジエムを耳に当てている。 x x x マミ「ちゃんと見守ってるから安心して。それにあの子だって、人前で襲ってくるような真似はしないはずよ』 さやか『ならいいんだけど...』 そこへ、教室に入ってくるほむら。 さやか「げ、噂をすれば影」 ほむらは真っ先にまどかと、その傍らにいるキユウべえを凝視する。 やや怯えた風にまどかの陰に隠れるキユウべえ。 ほむらの険しい視線に気圧されるまどか。ぎゅっとキユウベえを抱きしめる。

口マミの部屋(回想) さやか「あの転校生も、えっと、その、魔法少女なの?マミさんと同じ?」 マミ「そうね。間違いないわ。かなり強い魔力を持ってるみたい」 さやか「でも、それなら、マミさんみたいに魔女をやっつける正義の味方なんだよね?それがなんで、急にまどかを襲ったりしたわけ?」 キユウベえ「彼女が狙ってたのは僕だよ。新しい魔法少女が生まれることを阻止しようとしてたんだろうね』 まどか「え...」 さやか「なんで?同じ敵と戦っているなら、仲間は多い方がいいんじゃないの?」 マミ「それが、そうでもないの。むしろお互いをライバル視して競争になることの方が多いのよね」 まどか「そんな...どうして...」 マミ「魔女を倒せば、それなりの見返りがあるの。だから時と場合によっては、手柄の取り合いになってぶつかることもあるのよね」 眉根に皺を寄せて考え込むさやか。 さやか「つまりあいつは、キユウベえがまどかに声をかけるって最初から目星をつけてて、それで朝からあんなに絡んできたってわけ?」 マミ「多分、そういうことでしょうね」

日教室 ーー引き続き、ほむらの視線に射竦められているまどか。さやか『気にすんな、まどか』 きっぱりと強い意志を込めて、思念を送ってくるさやか。 さやか『あいつが何かちょっかい出してきたら、あたしがぶつとばしてやるからさ。マミさんだってついてるんだし』 マミ『そうよ。美樹さんはともかくとして、私がついてるんだから大丈夫。安心して」 さやか『ともかくってゆーなーツ』 マミとさやかの遣り取りに、やや緊張を解されて表情を和ませるまどか。 ほむらは何事もなかったかのようにまどかから視線を外し、話しかけてくるクラスメイトたちの輸の中に紛れていく。

口授業中の教室 長閑な空気の退屈な授業。 まどか、まずほむらの席を覗う。ほむらはまどかなど眼中なしに真つ直ぐ正面を向いている。 続いてさやかの様子を窺うまどか。気疲れしたのか、こっくりこっくりと船をこいでいる。 まどか、ひとまず危機はないと安堵するものの、それはそれで手持ち無沙汰。ノートが次第に落書きで埋まっていく。 まず変身したマミの絵、続いてほむらの絵。『リボンは?」『フリルとか』と変なコメントもつきはじめる。ーー無意識のうちに、自分の変身姿について一人デザインコンペを始めているまどか。

口屋上 昼休みの校舎屋上。弁当を食べたり、談笑したりしている生徒たちが、ぽつぽつと疎らにいる。 その中で、フェンスに凭れ、漫然と空を眺めているまどか、さやか、キユウベえ。 さやか「ねー、まどかあ。ーー願い事、何か考えた?」 まどか「ううん。さやかちゃんは?」 さやか「あたしも全然。何だかなー。いくらでも思いつくと思ったんだけどなー」 溜息をついて、伸びをするさやか。 さやか「欲しいモノもやりたいことも、いっぱいあるけどさ。命懸け、ってところで、やっぱ引っかかっちゃうよね。そうまでする程のモンじゃねーよなーって」 まどか「うん...」 キユウベえ「意外だなあ。大抵の子は二つ返事なんだけど」 さやか「まーきっと、あたしたちがバカなんだよ」 まどか「え~?そうかな...」 さやか「そう。幸せパカ」 冗談めかした言葉とは裏腹に、真顔でやや憂い顔のさやか。 さやか「別に珍しくなんかないはずだよ。命と引き換えにしてでも叶えたい望みって。そういうの抱えてる人は、世の中に大勢いるんじゃないのかな」 まどか「...」 さやかの真面目な語りに、言葉を返せないまどか。 さやか「だから、それが見つからない私たちって、その程度の不幸しか知らないってことじゃん。恵まれすぎてバカになっちゃってるんだよ」

x x x さやかの回想。恭介の病室。ベッドの上で、窓の外を見つめている恭介の背中。

x x x さやか「...なんで、あたしたちなのかな?」 さやかの声音に滲む影。戸惑うまどか。 さやか「不公平だと思わない?こういうチャンス、本当に欲しいと思ってる人は他にいるはずなのにね...」 まどか「さやかちゃん...」 そのとき、屋上に姿を現すほむら。はっと緊張するまどかとさやか。ほむらはまどかを見つけるや否や、真つ直ぐに歩み寄ってくる。 まどかを庇うかのように前に出るさやか。だが二人の脳裏に、マミからの思念が届く。 マミ『大丈夫...』 ほむら、隣の校舎を見遣る。その屋上にはソウルジエムを手にしたマミの姿。相手方の警戒ぶリを認識して、足を止めるほむら。 さやか「...昨日の続きかよ?」 ほむら「いいえ、そのつもりはないわ」 冷ややかな眼差しでキユゥベえを見るほむら。 ほむら「そいつが鹿目まどかと接触する前にケリをつけたかったけれど...今更それも手遅れだし」 あらためて、まどかを見据えるほむら。 ほむら「で、どうするの?そいつの言葉を鵜呑みにして、あなたも魔法少女になるつもり?」 キユウベえ「僕は強制はしてないよ。まどかたちも今、迷つてるところだ」 さやか「どっちにしろ、あんたにとやかく言われる筋合いはないわよ」 ほむら、さやかを一瞥。やや気圧されるものの怯まないさやか。だがすぐにほむらの視線は再びまどかへ。 ほむら「昨日の話、憶えてる?」 まどか「うん...」 ほむら「ならいいわ。忠告が無駄にならないよう、祈ってる」 言い残して踵を返し、屋上を去っていこ、っとするほむら。 まどか「ほーーほむらちゃん?」 呼び止められ、立ち止まるほむら。 まどか「あの...あなたは、どんな願い事をして魔法少女になったの?」 じろりと肩越しにまどかを睨むほむら。その表情には、怒りとも悲しみともつかない激しい感情が覘く。驚きに言葉を失うまどか。 だがそれも一瞬で、ほむらはすぐに普段の無表情に戻リ、屋上を去っていく。

Part B

口放認後の教室 談笑しながら帰り支度をしている生徒たち。 マイペースに鞄を整理している仁美のところに、既に身支度を終えたまどかとさやかがやってくる。 さやか「仁美ごめん、今日はあたしら、ちょっと野暮用があって...先に行ってるね」 仁美「あら、内紛ごとですの?」 まどか「えっと...」 口ごもるまどか。仁美は勝手に勘違いして頬を赤らめる。 仁美「羨ましいですわ。もうお二人の間に割リ込むむ余地なんてないんですのね...」 さやか「いやだから違うって。それ」 教室を山て行くまどかとさやかを、じっと目で追っているほむら。その背中に、女子Aが声をかける。 女子A「暁美さん、今日こそ帰りに喫茶店寄ってこ」 振り向いて、さも残念そうに微笑むほむら。 ほむら「ごめんなさいね。今日もちょっと急ぐ用事があって...」

口ショッピングモールのファーストフード店 昨日と同じ店に集合しているまどか、さやか、マミ。さやかの手荷物の中には、何やら布て包んだ細長い物体がある。 がっつりバリューセット一人前を食べているさやか。ジュースだけしか頼んでいないマミ。まどかは自分のポテトをキユウべえに食べさせている。 マミ「さて、それじゃあ魔法少女体験コlス第一弾。張り切って行ってみましょうか。準備はいい?」 さやか「準備になってるかどうか分からないけど...」 さやか、持参した包みの端を解いて中身を見せる。やや年季の入った金属バット。 さやか「こっそり体育会席からガメてきたよ。何もないよりはマシかと思って」 マミ、呆れ半分、感心半分の微笑。 マミ「まあ、そういう覚悟でいてくれるのは助かるわ」 さやか「まどかは何か、持ってきた?」 まどか「え?えっと、私は...」 素直に手ぶらで来たとは言えず、慌てるまどか。 あまり深い考えもなく、鞄からノートを取り出して中身を見せる。 見聞きにびっしりと舎かれた魔法少女ルックの三面図と細部と決めポーズ草案。

まどか「と、とりあえず、衣装だけでも考えておこうかと思って...」 しばし呆気にとられるさやかとマミ。それから堪えきれずに笑い山す。 そこでようやく、自分のずれっぷりを自覚して、顔を真っ赤にするまどか。 マミ「うん、意気込みとしては充分ね」 さやか「こりゃあ参った。あんたにや負けるわ」 まどか「うう...」

ロモール改装中エリア、通路 昨日の結界が消えた場所に来ている一行。マミが、手の中で鈍い光を脈打たせているソウルジエムを二人に見せる。 マミ「これが、昨日の魔女が残していった魔力の痕跡。基本的に、魔女捜しは足頼みよ。こうしてソウルジエムが捉える魔力の気配を迪っていくわけ」 さやか「意外と地味...」

口住宅街 ソウルジエムの光の強弱を頼りに、近辺の町並みをそぞろ歩くマミ。その後についていくまどかとさやか。キユウべえはまどかの肩に。