The Beginning Story: Episode 4: Difference between revisions

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! width="50%" |恭介の病室(過去)
! width="50%" |恭介の病室(過去)
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| colspan="2"|Sayaka drops by for a visit, but the bed lies empty.
|見舞いに訪れるさやか。だがベッドは空。
|見舞いに訪れるさやか。だがベッドは空。
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| colspan="2"|Nurse A walks pass in the hallway and notices the situation.
|その様子を、廊下を通りがかった看護師Aが見各める。
|その様子を、廊下を通りがかった看護師Aが見各める。
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|'''Nurse A''':||Oh, are you here to see Kamijou-kun?
|看護師A「上条くんのお見舞い?」
|看護師A「上条くんのお見舞い?」
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|'''Sayaka''':||Y-Yeah...
|さやか「ええ...」
|さやか「ええ...」
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|'''Nurse A''':||I'm sorry, but his examination schedule was moved up, so he's in Physical Therapy right now.
|看護師A「ああ、ごめんなさいね。診察の予定が繰り上がって、今ちょうどリハビリ室なの」
|看護師A「ああ、ごめんなさいね。診察の予定が繰り上がって、今ちょうどリハビリ室なの」
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|'''Sayaka''':||Oh, I see... Thank you.
|さやか「ぁ、そうでしたか。...どうも」
|さやか「ぁ、そうでしたか。...どうも」
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| colspan="2"|Visibly disappointed, Sayaka leaves after a bow.
|ややしょんぼりしながら、会釈して去るさやか。
|ややしょんぼりしながら、会釈して去るさやか。
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| colspan="2"|Nurse B walks by.  They watch together as Sayaka leaves.
|そこへさらに通りかかる看護師B。Aと二人でさやかの背中を見送る。
|そこへさらに通りかかる看護師B。Aと二人でさやかの背中を見送る。
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|'''Nurse B''':||She sure visits a lot, doesn't she.
|看護師B「良く来てくれるわよね。あの子」
|看護師B「良く来てくれるわよね。あの子」
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|'''Nurse A''':||I'm glad she does.  That patient is in a difficult mental condition.... I hope she's cheering him up.
|看護師A「助かるわ。難しい忠者さんだしね。...励ましになってくれてるといいんだけど」
|看護師A「助かるわ。難しい忠者さんだしね。...励ましになってくれてるといいんだけど」
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! width="50%" |リハビリ家(過去)
! width="50%" |リハビリ家(過去)
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| colspan="2"|Kyousuke is undergoing gait training.  He looks grim, pushing forward reluctantly.
|歩行訓練をしている恭介。だが表情は暗く、渋々やらされている様子でいる。
|歩行訓練をしている恭介。だが表情は暗く、渋々やらされている様子でいる。
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|'''Nurse B''':||(Off Screen)  He was a violin prodigy before the accident, right?
|看護側B off「事故に遭う前は、天才少年だったんでしょ?バイオリンの」
|看護側B off「事故に遭う前は、天才少年だったんでしょ?バイオリンの」
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|'''Nurse A''':||(Off Screen)  Even if he were able to walk again, he'll never be able to play an instrument for the rest of his life.
|看護師A off「歩けるようになったとしても、指の方はねえ...もう二度と楽器を弾くなんて、無理でしょうね」
|看護師A off「歩けるようになったとしても、指の方はねえ...もう二度と楽器を弾くなんて、無理でしょうね」


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! width="50%" |病院、エレベーター内(過去)
! width="50%" |病院、エレベーター内(過去)
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| colspan="2"|In an elevator heading down the lobby, Sayaka rides alone.
|一階ロビーへと戻るエレベーターの中。一人きりで乗つているさやか。
|一階ロビーへと戻るエレベーターの中。一人きりで乗つているさやか。
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|'''Sayaka''':||(Voice Over) '''... Why did it have to be Kyousuke?'''
|さやかM 『...なんで、恭介なのよ?』
|さやかM 『...なんで、恭介なのよ?』
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| colspan="2"|Sayaka looks down at her hand suddenly, flexes her fingers, looking chagrined.
|ふと自分の左手を見下ろす。自在に動く5本の指を、悔しそうに握りしめる。
|ふと自分の左手を見下ろす。自在に動く5本の指を、悔しそうに握りしめる。
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|'''Sayaka''':||(Voice Over)  '''My fingers work perfectly, but what good are they...?  Why couldn't it have been me instead of Kyousuke?'''
|さやかM 『あたしの指なんて、いくら動いたって何の役にも立たないのに...なんであたしじゃなくて、恭介なの?』
|さやかM 『あたしの指なんて、いくら動いたって何の役にも立たないのに...なんであたしじゃなくて、恭介なの?』
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| colspan="2"|Sayaka pauses to calm her mind, reconsidering her feelings.
|だがそこで、気持ちを静めて考え直すさやか。
|だがそこで、気持ちを静めて考え直すさやか。
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|'''Sayaka''':||(Voice Over) '''If I used my wish to heal his body, what would he think about that...?'''
|さやかM 『もしもあたしの願い事で、恭介の身体が治ったとして...それを恭介は、どう思うの?』
|さやかM 『もしもあたしの願い事で、恭介の身体が治ったとして...それを恭介は、どう思うの?』
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| colspan="2"|Sayaka recalls a smiling Kyousuke, sitting at his hospital room with piles of CDs she bought for him surrounding him.
|病室での恭介の笑顔と、彼のために買い集めてきたCDの山を思い出す。
|病室での恭介の笑顔と、彼のために買い集めてきたCDの山を思い出す。
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|'''Sayaka''':||(Voice Over) '''Would he just thank me, nothing more?  Maybe I jus want him to say something else? '''
|さやかM 『ありがとうって言われて、それだけ? それとも、それ以上のことを言ってほしいの?
|さやかM 『ありがとうって言われて、それだけ? それとも、それ以上のことを言ってほしいの?
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| colspan="2"|Sayaka hates herself for having these thoughts.
|考えを巡らすうちに、自H己嫌怒に駆られるさやか。
|考えを巡らすうちに、自己嫌怒に駆られるさやか。
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|'''Sayaka''':||...I'm such a horrible person.
|さやか「...あたしって、嫌な女だ」
|さやか「...あたしって、嫌な女だ」
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! width="50%" |病院裏の駐輪場
! width="50%" |病院裏の駐輪場
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| colspan="2"|After [[Episode 3]].
|三話ラスト直後。
|三話ラスト直後。
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| colspan="2"|Homura walks away, Grief Seed in hand.
|グリーフシードを手に立ち去っていくほむら。
|グリーフシードを手に立ち去っていくほむら。
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| colspan="2"|Sayaka in tears, full of regret.  Madoka looks dazed.
|それを悔し泣きしながら見送るさやかと、放心しているまどか。
|それを悔し泣きしながら見送るさやかと、放心しているまどか。
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|'''Sayaka''':||(Voice Over) '''Now that I think about it—— I was absolutely clueless back then.  I didn't know what it meant to pray for a miracle, nor the price of one...
|さやかM『思えばーーそのときのあたしは、まだ何も分かっていなかった。奇跡を望む意味も、その代償も...』
|さやかM『思えばーーそのときのあたしは、まだ何も分かっていなかった。奇跡を望む意味も、その代償も...』
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! width="50%" |鹿目家ダイニングキッチン
! width="50%" |鹿目家ダイニングキッチン
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Scene of Kaname Family having breakfast together, same as [[Episode 1]].
|一話と同じ鹿目家の朝食の風景。
|一話と同じ鹿目家の朝食の風景。
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| colspan="2"|Junko drinks a cup of coffee while reading the newspaper and taking care of Tatsuya at the same time.  Tomohisa sets the table diligently.
|タツヤの面倒を見つつ新聞を読みつつコーヒーを飲んでいる詢子と、甲斐甲斐しく配膳している知久。
|タツヤの面倒を見つつ新聞を読みつつコーヒーを飲んでいる詢子と、甲斐甲斐しく配膳している知久。
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|'''Junko''':||''(Is that a mole?  There, got it.)''
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| colspan="2"|Madoka stares blankly at her fried egg.  her focus lies elsewhere.
|だがまどかはぼんやりと目玉焼きを見つめるだけで、心ここにあらずの状態。
|だがまどかはぼんやりと目玉焼きを見つめるだけで、心ここにあらずの状態。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Memory of time she had spent with Mami until yesterday plays back in her mind.
|まどかの脳裏を過ぎるのは、昨日までマミと共に過ごした日々の記憶。
|まどかの脳裏を過ぎるのは、昨日までマミと共に過ごした日々の記憶。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|How Mami looked in her final battle.
|そして、マミを見舞った壮絶な最期。
|そして、マミを見舞った壮絶な最期。
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|'''Junko''':||——Madoka?  If you don't hurry up and eat, you'll be late to school.
|詢子「ーーまどか。さっさと食べないと遅刻だぞ」
|詢子「ーーまどか。さっさと食べないと遅刻だぞ」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Hearing Junko, Madoka comes back to reality.
|詢子の声に、はたと我に返るまどか。
|詢子の声に、はたと我に返るまどか。
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|'''Madoka''':||Y-Yeah...
|まどか「う、うん...」
|まどか「う、うん...」
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| colspan="2"|Madoka pokes at the fried egg with chopsticks absentmindedly.
|相変わらずぼんやりしたまま、目玉焼きに箸をつけるまどか。
|相変わらずぼんやりしたまま、目玉焼きに箸をつけるまどか。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Tears flow down from her cheeks as she take a bite.
|だが一口食べた途端に、ぽろりと涙がこぼれる。
|だが一口食べた途端に、ぽろりと涙がこぼれる。
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|'''Tomohisa''':
'''Junko''':
| ...?
|知久、詢子「...?」
|知久、詢子「...?」
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| colspan="2"|The parents finally noticed something strange with Madoka.
|さすがに様子がおかしいと気付く両親。
|さすがに様子がおかしいと気付く両親。
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| colspan="2"|Madoka starts to shiver and cry uncontrollably.
|まどか、こらえきれずに、身を震わせてボロボロと泣き始める。
|まどか、こらえきれずに、身を震わせてボロボロと泣き始める。
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| colspan="2"|Even Tatsuya is bewildered by his sister.
|姉の様子にきょとんとするタツヤ。
|姉の様子にきょとんとするタツヤ。
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|'''Tatsuya''':||What's wrong, Nee-chan?
|タツヤ「ねーちゃ、どったの?」
|タツヤ「ねーちゃ、どったの?」
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|'''Tomohisa''':||D-Does it taste bad...?
|知久「ま、不味かったかな...」
|知久「ま、不味かったかな...」
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|'''Madoka''':||... No, it's good. It's really good...
|まどか「...ううん、おいしいの。すごく、おいしい...」
|まどか「...ううん、おいしいの。すごく、おいしい...」
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| colspan="2"|Madoka tries to answer, but her tears won't stop flowing.
|返事しながらも、まどかの涙は止まらない。
|返事しながらも、まどかの涙は止まらない。
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|'''Madoka''':||...Dad's cooking tastes so good... because I'm alive...
|まどか「...生きてると...パパのごはんが、こんなに美味しい...」
|まどか「...生きてると...パパのごはんが、こんなに美味しい...」
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! width="50%" |通学路
! width="50%" |通学路
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Peaceful scene of students walking to school, nothing out of the ordinary.
|普段と変わらない平和な通学の風景。
|普段と変わらない平和な通学の風景。
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| colspan="2"|Madoka, Sayaka, and Hitomi are chatting and walking side by side.
|並んで歩きながら談笑するまどか、さやか、仁美。
|並んで歩きながら談笑するまどか、さやか、仁美。
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| colspan="2"|Rather than riding on Madoka's shoulder, today Kyubey follows right behind her.
|今日のキユウべえはまどかの肩には乗らず、すぐ後ろを
|今日のキユウべえはまどかの肩には乗らず、すぐ後ろをついて歩いている。
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| colspan="2"|Sayaka is her usual self, talking lively, making Hitomi laugh.
|ついて歩いている。
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|さやかはいつも通り活発に話題を振り、仁美を笑わせている。
|さやかはいつも通り活発に話題を振り、仁美を笑わせている。
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|'''Sayaka''':||So I kept telling Yuuka, but she just didn't get it!  She was almost crying, like, "Huh?  What?  Did I say something weird again?"  I was trying so hard not to laugh——
|さやか「でもってユウカったらさあ、それだけ言ってもまだ気付かないのよ。『え? 何? ワタシまた変なこと言った?」とか半ベソになっちゃって、こっちはもう笑い堪えるのに必死でさー」
|さやか「でもってユウカったらさあ、それだけ言ってもまだ気付かないのよ。『え? 何? ワタシまた変なこと言った?」とか半ベソになっちゃって、こっちはもう笑い堪えるのに必死でさー」
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|'''Madoka''':||...
|まどか「...」
|まどか「...」
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| colspan="2"|Madoka fakes a vague smile, paying no attention to the topic on hand.  She calls out to Sayaka via Kyubey's telepathy.
|まどか、うすぼんやりした愛想笑いを浮かべたまま、話を聞き流しつつ、キユウベえ経由のテレパシーで、さやかに呼びかける。
|まどか、うすぼんやりした愛想笑いを浮かべたまま、話を聞き流しつつ、キユウベえ経由のテレパシーで、さやかに呼びかける。
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|'''Madoka''':||'''... Sayaka-chan, about yesterday...'''
|まどか『...さやかちゃん、昨日のこと...』
|まどか『...さやかちゃん、昨日のこと...』
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|'''Sayaka''':||'''...Sorry, can we talk about it later?'''
|さやか『...ごめん。今はやめよ。また後で』
|さやか『...ごめん。今はやめよ。また後で』
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| colspan="2"|Despite the gloominess in her mental reply, her voice remains bright as always.
|口調ばかりは明るさを保ったまま、思念では沈欝に答えるさやか。
|口調ばかりは明るさを保ったまま、思念では沈欝に答えるさやか。
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|'''Madoka''':||...
|まどか「...」
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|'''Sayaka''':||''(Totally weird, right?)''
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|'''Hitomi''':||''(Yeah, that's kind of...)''
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|まどか「...」
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| colspan="2"|Sayaka is hiding her pain well, but the opposite is true for Madoka, whose suffering only grows.
|上手く表面を取り繕えているさやかと、それができない自分との差に、ますます悲しくなるまどか。
|上手く表面を取り繕えているさやかと、それができない自分との差に、ますます悲しくなるまどか。
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Line 228: Line 236:
! width="50%" |授業風景
! width="50%" |授業風景
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| colspan="2"|
| colspan="2"|English lesson, proctored by Kazuko Saotome.
|英語の授業。担当は早乙女和子先生。
|英語の授業。担当は早乙女和子先生。
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| colspan="2"|Rules of English grammar visible on the blackboard.  Not that it matters, Saotome is lecturing about something completely different.
|黒板に書かれた英文法のテキストを解説しているかに見えて、実はまったく関係ないことを喋っている。
|黒板に書かれた英文法のテキストを解説しているかに見えて、実はまったく関係ないことを喋っている。
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|'''Saotomoe''':||So— while a woman's prime age for childbirth is based on medical fact, using this to determine whether she's of marriageable age is a huge mistake.  Meaning that women over thirty clearly still have a chance for a loving marriage.  Therefore, you shouldn't be using the past perfect here, but rather the present progressive tense——
|和子「えー、確かに出産適齢期というのは医学的根拠に基づくものですが、そこからの逆算で婚期を見積もることは大きな間違いなんですねー。つまり30歳を越えた女性にも恋愛結婚のチャンスがあるのは当然のことですから、したがってここは過去完了形でなく現在進行形を使うのが正解でーー」
|和子「えー、確かに出産適齢期というのは医学的根拠に基づくものですが、そこからの逆算で婚期を見積もることは大きな間違いなんですねー。つまり30歳を越えた女性にも恋愛結婚のチャンスがあるのは当然のことですから、したがってここは過去完了形でなく現在進行形を使うのが正解でーー」
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| colspan="2"|Unable to concentrate on the lesson, Madoka glance briefly towards Sayaka.
|授業に集中できないまどか。そっと横目にさやかを見遣る。
|授業に集中できないまどか。そっと横目にさやかを見遣る。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Sayaka refuses to look back, upsetting Madoka.
|あえてまどかと視線を合わそうとしないさやか。切なくなるまどか。
|あえてまどかと視線を合わそうとしないさやか。切なくなるまどか。
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| colspan="2"|But Homura is keeping an eye on Madoka.
|そんなまどかの様子を、ほむらもまた見守っている。
|そんなまどかの様子を、ほむらもまた見守っている。
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Line 253: Line 261:
! width="50%" |屋上
! width="50%" |屋上
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Lunch break.  The two girls sit side-by-side, leaning against a fence.  Madoka looks up blankly at the sky.  Sayaka looks focused, brooding over something.
|昼休み。フェンス際に並んで腰を下ろし、よりかかっている二人。ぼんやりと空を見上げているまどか。思い詰めた表情のさやか。
|昼休み。フェンス際に並んで腰を下ろし、よりかかっている二人。ぼんやりと空を見上げているまどか。思い詰めた表情のさやか。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Reading the mood, Kyubey understandably keeps itself at a distance.
|空気を読んで、ほんの少しだけ聞をおいて座っているキユウベぇ。
|空気を読んで、ほんの少しだけ間をおいて座っているキユウベぇ。
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|'''Madoka''':||It's like we're in a different world or something.
|まどか「なんか、違う国に来ちゃったみたいだね」
|まどか「なんか、違う国に来ちゃったみたいだね」
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|'''Sayaka''':||...
|さやか「...」
|さやか「...」
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|'''Madoka''':||Even though nothing about the school or Hitomi-chan has changed since yesterday... now I feel like I'm surrounded by strangers.
|まどか「学校も、仁美ちゃんも、昨日までとぜんぜん変わってない筈なのに...なんだかまるで、知らない人たちの中にいるみたい」
|まどか「学校も、仁美ちゃんも、昨日までとぜんぜん変わってない筈なのに...なんだかまるで、知らない人たちの中にいるみたい」
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|'''Sayaka''':||That's because no one knows.
|さやか「知らないんだよ。誰も」
|さやか「知らないんだよ。誰も」
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| colspan="2"|The coldness in her tone, completely opposite of the usual Sayaka, makes Madoka flinch back a little.
|冷めた声で言い捨てるさやか。普段と述、っその口調に、やや怯むまどか。
|冷めた声で言い捨てるさやか。普段と述、っその口調に、やや怯むまどか。
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|'''Sayaka''':||We're the only ones who know about the witches and Mami-san.  Nobody else does.  It's like we're living in an entirely different world from them. 
|さやか「魔女のこと、マミさんのこと。あたしたちは知ってて、他のみんなは何も知らない。それってもう、違う世界で、違うものを見て暮らしてるようなもんじゃない」
|さやか「魔女のこと、マミさんのこと。あたしたちは知ってて、他のみんなは何も知らない。それってもう、違う世界で、違うものを見て暮らしてるようなもんじゃない」
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|'''Madoka''':||... Sayaka-chan?
|まどか「...さやかちゃん?」
|まどか「...さやかちゃん?」
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|'''Sayaka''':||Our world had changed long ago.  We should've realized that sooner.
|さやか「とつくの昔に、変わっちゃってたんだ。もっと早くに気付くべきだったんだよ。あたしたちも」
|さやか「とつくの昔に、変わっちゃってたんだ。もっと早くに気付くべきだったんだよ。あたしたちも」
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|
|'''Madoka''':||...
|まどか「...」
|まどか「...」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Sayaka stares at a distant part of the sky.  Madoka doesn't say a word in reply.
|遠い眼差しで空を見つめるさやか。返す言葉もないまどか。
|遠い眼差しで空を見つめるさやか。返す言葉もないまどか。
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|-
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|'''Sayaka''':||... What about you, Madoka?  Do you still want to become a magical girl?
|さやか「...まどかはさ、今でもまだ、魔法少女になりたいって思ってる?」
|さやか「...まどかはさ、今でもまだ、魔法少女になりたいって思ってる?」
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|'''Kyubey''':||...
|キユウベえ「...」
|キユウベえ「...」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Kyubey focuses on Madoka as Sayaka ask.
|さやかの問いに、キユウベえもまどかに注目する。
|さやかの問いに、キユウベえもまどかに注目する。
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|
|'''Madoka''':||...
|まどか「...」
|まどか「...」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Without the courage to say, "I hate it,"  Madoka stays silent, but Sayaka understands.
|素直に『嫌だ』と言う勇気を出せないまどか。重い沈黙。察するさやか。
|素直に『嫌だ』と言う勇気を出せないまどか。重い沈黙。察するさやか。
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|-
|
|'''Sayaka''':||... Yeah, I can't blame you for that.
|さやか「...そうだよね。うん、仕方ないよ」
|さやか「...そうだよね。うん、仕方ないよ」
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|'''Madoka''':||... I know it's not fair.  I know I'm just being selfish right now...
|まどか「...ずるいって、分かってるの。今さら虫が良すぎるよね...」
|まどか「...ずるいって、分かってるの。今さら虫が良すぎるよね...」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Overwhelmed by regret and empathy, Madoka breaks down in tears.
|まどか、悔しさと情けなきで涙を溢す。
|まどか、悔しさと情けなきで涙を溢す。
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|
|'''Madoka''':||But... I just can't... Just remembering how she died... makes it hard to breathe... I'm so scared... I hate this...
|まどか「でも...無埋。...わたし、あんな死に方...今でも思い出しただけで、息ができなくなっちゃうの...恐いよ...嫌だよお...」
|まどか「でも...無埋。...わたし、あんな死に方...今でも思い出しただけで、息ができなくなっちゃうの...恐いよ...嫌だよお...」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Sayaka leans close, embracing her head, huddling up tightly.
|さやか、隣にいるまどかの頭を抱き寄せ、肩を寄せあう。
|さやか、隣にいるまどかの頭を抱き寄せ、肩を寄せあう。
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Kyubey sits in silence, looking down.
|キユウべえも何も言えず、俯いている。
|キユウべえも何も言えず、俯いている。
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|'''Sayaka''':||Mami-san was really kind.  To show us what it takes to fight, she...
|さやか「マミさん、本当に優しい人だったんだ。戦うためにどういう覚悟がいるのか、あたしたちに思い知らせるために、あの人は...」
|さやか「マミさん、本当に優しい人だったんだ。戦うためにどういう覚悟がいるのか、あたしたちに思い知らせるために、あの人は...」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Madoka and Sayaka recall memories of Mami's lessons.
|マミへの追想に授るさやかとまどか。
|マミへの追想に授るさやかとまどか。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Sayaka looks toward Kyubey after some time passed.
|さやか、ややあってからキユウべえを見る。
|さやか、ややあってからキユウべえを見る。
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|'''Sayaka''':||—— Hey, Kyubey.  What's going to happen to this city?  Who will protect everyone from the witches now that Mami-san's gone?
|さやか「ーーねえキユウベえ。この街、どうなっちゃうのかな?マミさんの代わりに、これから誰がみんなを魔女から守ってくれるの?」
|さやか「ーーねえキユウベえ。この街、どうなっちゃうのかな?マミさんの代わりに、これから誰がみんなを魔女から守ってくれるの?」
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|'''Kyubey''':||This has been Mami's territory for a while now, but once the other magical girls find out, they won't stay back for now.  It won't be long before one of them arrives to hunt witches.
|キユウベえ「永らくここはマミの縄張リだったけど、空席になれば他の魔法少女が黙ってないよ。すぐにも他の子が魔女狩りのためにやって来る」
|キユウベえ「永らくここはマミの縄張リだったけど、空席になれば他の魔法少女が黙ってないよ。すぐにも他の子が魔女狩りのためにやって来る」
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|-
|
|'''Sayaka''':||But all they care about is finding Grief Seeds, right?  Just like that transfer student.
|さやか「でもそれって、グリーフシードだけが目当ての奴なんでしょ? あの転校生みたいに」
|さやか「でもそれって、グリーフシードだけが目当ての奴なんでしょ? あの転校生みたいに」
|-
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|
|'''Kyubey''':||... It's true that Mami was a rare breed.  Most people wold think about personal gain.  Everyone wants to be rewarded for their actions.
|キユウベえ「...確かに、マミみたいなタイプは珍しかった。普通はちゃんと損得を考えるよ。だれだって報酬は欲しいさ」
|キユウベえ「...確かに、マミみたいなタイプは珍しかった。普通はちゃんと損得を考えるよ。だれだって報酬は欲しいさ」
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| colspan="2"|
|'''Sayaka''':||So that means—
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| colspan="2"|Before Sayaka can respond, Kyubey preempts her.
|さらに何か言おうとするさやかに対し、機先を制して言い足すキユウべえ。
|さらに何か言おうとするさやかに対し、機先を制して言い足すキユウべえ。
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|'''Kyubey''':||But I think only other magical girls have the right to criticize that. 
|キユウベえ「でもそれを批難できるとしたら、それは同じ魔法少女としての運命を背負った子だけじゃないかな」
|キユウベえ「でもそれを批難できるとしたら、それは同じ魔法少女としての運命を背負った子だけじゃないかな」
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|'''Sayaka''':||...
|さやか「...」
|さやか「...」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Sayaka has no answer to that.
|それを言われては返す言葉もないさやか。
|それを言われては返す言葉もないさやか。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Kyubey sighs and stands.
|キュゥべえは溜息をついて、立ち上がる。
|キュゥべえは溜息をついて、立ち上がる。
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|'''Kyubey''':||I understand how you two feel.  It's unfortunate, but I can't pressure you into it.  I guess this is it.  I need to go search for girls who need my contract.
|キユウベえ「君たちの気持ちは分かった。残念だけど、僕だって無理強いはできない。お別れだね。僕はまた、僕との契約を必要としてる子を探しに行かないと」
|キユウベえ「君たちの気持ちは分かった。残念だけど、僕だって無理強いはできない。お別れだね。僕はまた、僕との契約を必要としてる子を探しに行かないと」
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|'''Madoka''':||... I'm sorry, Kyubey.
|まどか「...ごめんね、キュゥベえ」
|まどか「...ごめんね、キュゥベえ」
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|'''Kyubey''':||No, I'm sorry for getting you involved.  It was short, but thank you, Madoka.  It was fun.
|キユウベえ「こっちこそ、巻き込んで済まなかった。短い間だったけど、ありがとう。一緒にいて楽しかったよ、まどか」
|キユウベえ「こっちこそ、巻き込んで済まなかった。短い間だったけど、ありがとう。一緒にいて楽しかったよ、まどか」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|With a wave, Kyubey disappears.  Madoka repeats without looking.
|手を振って、姿を消すキユウベえ。俯いたまま、繰り返すまどか。
|手を振って、姿を消すキユウベえ。俯いたまま、繰り返すまどか。
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|-
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|'''Madoka''':||I'm sorry...
|まどか「ごめんね...」
|まどか「ごめんね...」
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Line 380: Line 390:
! width="50%" |マミの住むマンション
! width="50%" |マミの住むマンション
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Dusk.  Madoka on the way from school.  Standing before Mami's apartment, she rings the bell.  Of course, no response came.
|夕方。学校帰りのまどか。マミの部屋の前に立ち、チャイムを押す。だがもちろん反応はない。
|夕方。学校帰りのまどか。マミの部屋の前に立ち、チャイムを押す。だがもちろん反応はない。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Madoka hesitantly touch the door.  Unlocked, the door opens.
|遠慮がちにドアノプに触れるまどか。鍵はかかっておらず、ドアは開いてしまう。
|遠慮がちにドアノプに触れるまどか。鍵はかかっておらず、ドアは開いてしまう。
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Line 393: Line 403:
! width="50%" |マミの部屋
! width="50%" |マミの部屋
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| colspan="2"|
| colspan="2"|The setting sun bathes the room in light.  Even without anyone coming back, the room retains a strong scent of life.  Half-drunk tea and a book left open litter the table.
|夕陽が差し込む無人の室内。帰る者がいなくなっても、生活臭は色濃く残っている。テーブルには飲みかけの紅茶と読みかけの本が放置されていたりする。
|夕陽が差し込む無人の室内。帰る者がいなくなっても、生活臭は色濃く残っている。テーブルには飲みかけの紅茶と読みかけの本が放置されていたりする。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Gently, Madoka places the notebook, on which she doodled her magical girl delusions, on the table.  She turns back.
|まどかは、自分の魔法少女変身妄想を書き綴ったノートを、そっとテーブルの上に置いて、背を向ける。
|まどかは、自分の魔法少女変身妄想を書き綴ったノートを、そっとテーブルの上に置いて、背を向ける。
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Memories of playful chat with Mami in this very room returns.  Madoka becomes teary once more.
|この部屋で談笑したマミの面影が蘇り、また涙を流すまとか。
|この部屋で談笑したマミの面影が蘇り、また涙を流すまとか。
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|-
|
|'''Madoka''':||...I'm sorry... I'm so weak... I'm sorry...
|まどか「...ごめんなさい...あたし、弱い子で...ごめんなさい...」
|まどか「...ごめんなさい...あたし、弱い子で...ごめんなさい...」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Alone, Madoka cries in solitude.
|一人、孤独に泣き続けるまどか。
|一人、孤独に泣き続けるまどか。
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|-
Line 415: Line 425:
! width="50%" |マミの住むマンション
! width="50%" |マミの住むマンション
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Entrance.  Madoka leaves, her eyes swollen from crying.
|エントランス。泣き腫らした目で出てくるまどか。
|エントランス。泣き腫らした目で出てくるまどか。
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura has been waiting at the side of road, surprising Madoka.  Madoka panics as she try to wipe away remnants of her tears.
|すると道端に、ほむらが待ち構えている。やや面食らうまどか。泣いた痕跡を見咎められないかと慌てる。
|すると道端に、ほむらが待ち構えている。やや面食らうまどか。泣いた痕跡を見咎められないかと慌てる。
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|-
|
|'''Madoka''':||Ah... Homura-chan...
|まどか「ぁ...ほむら、ちゃん...」
|まどか「ぁ...ほむら、ちゃん...」
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|-
|
|'''Homura''':||You're blaming yourself too much for this, Kaname Madoka.
|ほむら「あなたは自分を責めすぎてるわ。鹿目まどか」
|ほむら「あなたは自分を責めすぎてるわ。鹿目まどか」
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|-
|
|'''Madoka''':||...Huh?
|まどか「...え」
|まどか「...え」
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|-
|
|'''Homura''':||No one can criticize the choices you've made.  And even if they did, I wouldn't allow it.
|ほむら「あなたを批難できる者なんて誰もいない。いたら私が許さない」
|ほむら「あなたを批難できる者なんて誰もいない。いたら私が許さない」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura looks expressionless as usual, but her tone is rather gentle.
|ほむらは相変わらずの無表情だが、口調はむしろ優しい。
|ほむらは相変わらずの無表情だが、口調はむしろ優しい。
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|That surprised Madoka even more.
|その意外さにますます呆然となるまどか。
|その意外さにますます呆然となるまどか。
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|-
|
|'''Homura''':||It seems you've taken my warning to heart.
|ほむら「忠告、聞き入れてくれたのね」
|ほむら「忠告、聞き入れてくれたのね」
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|
|'''Madoka''':||... Yeah.
|まどか「...うん」
|まどか「...うん」
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|-
Line 452: Line 462:
! width="50%" |住宅街
! width="50%" |住宅街
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|The way back.  They walk side-by-side into the setting sun.
|帰り道。夕陽の中を並んで歩く二人。
|帰り道。夕陽の中を並んで歩く二人。
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|-
|
|'''Madoka''':||... If only I had listened to you sooner...
|まどか「...私が、もっと早くにほむらちゃんの言、つことを聞いてたら...」
|まどか「...私が、もっと早くにほむらちゃんの言、つことを聞いてたら...」
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|-
|
|'''Homura''':||That still wouldn't have changed Mami Tomoe's fate.
|ほむら「それで巴マミの運命が変わったわけじゃないわ」
|ほむら「それで巴マミの運命が変わったわけじゃないわ」
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|-
|
|'''Madoka''':||...
|まどか「...」
|まどか「...」
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|'''Homura''':||But I was able to change yours.  I'm glad to have saved at least one life.
|ほむら「でも、あなたの運命は変えられた。一人が救われただけでも、私は嬉しい」
|ほむら「でも、あなたの運命は変えられた。一人が救われただけでも、私は嬉しい」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura's unexpectedly emotional words leaves Madoka surprised.
|ほむらの、思いもよらない感情的な言葉に、驚きつつも、ほだされるまどか。
|ほむらの、思いもよらない感情的な言葉に、驚きつつも、ほだされるまどか。
|-
|-
|
|'''Madoka''':||Y-You know, Homura-chan... You seem like a veteran, but in a different way from Mami-san. 
|まどか「ほむらちゃんは、さ...なんだか、マミさんとは別の意味で、ベテラン、って感じだよね」
|まどか「ほむらちゃんは、さ...なんだか、マミさんとは別の意味で、ベテラン、って感じだよね」
|-
|-
|
|'''Homura''':||Perhaps.  I won't deny it.
|ほむら「そうかもね。否定はしない」
|ほむら「そうかもね。否定はしない」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Madoka hesitates, finding this question difficult to ask.
|やや訊きづらい問いを口にする前に、少しだけ緊張するまどか。
|やや訊きづらい問いを口にする前に、少しだけ緊張するまどか。
|-
|-
|
|'''Madoka''':||... Have you seen a lot of people die like yesterday?
|まどか「...昨日みたいに、誰かが死ぬとこ、何度も見てきたの?」
|まどか「...昨日みたいに、誰かが死ぬとこ、何度も見てきたの?」
|-
|-
|
|'''Homura''':||Yes.
|ほむら「そうよ」
|ほむら「そうよ」
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|-
|
|'''Madoka''':||... How many?
|まどか「...何人、ぐらい」
|まどか「...何人、ぐらい」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura gaze at a distance for a while.
|ほむら、わずかに間をおいて遠い眼差しになる。
|ほむら、わずかに間をおいて遠い眼差しになる。
|-
|-
|
|'''Homura''':||So many that I've lost count.
|ほむら「数えるのを諦めるほどに」
|ほむら「数えるのを諦めるほどに」
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|-
|
|'''Madoka''':||...
|まどか「...」
|まどか「...」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|The careless way she answers, the heaviness of the response, Madoka doesn't know what to say.
|素つ気ない、だが重すぎる返事に、しばし言葉を失、つまどか。
|素つ気ない、だが重すぎる返事に、しばし言葉を失、つまどか。
|-
|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Suddenly, the hollow shell that was once Mami's room comes back to her.
|ふと、抜け殻のようだつたマミの部屋に思いを馳せる。
|ふと、抜け殻のようだつたマミの部屋に思いを馳せる。
|-
|-
|
|'''Madoka''':||I wonder if her room will stay like that forever...
|まどか「あの部屋、ずっと、あのままなのかな...」
|まどか「あの部屋、ずっと、あのままなのかな...」
|-
|-
|
|'''Homura''':||Tomoe Mami had only distant relatives.  I'm sure it'll be a while before anyone reports her missing.
|ほむら「巴マミには迷い親戚しか身寄りがいないわ。失除届が出るのは、まだ当分先でしょうね」
|ほむら「巴マミには迷い親戚しか身寄りがいないわ。失除届が出るのは、まだ当分先でしょうね」
|-
|-
|
|'''Madoka''':||... So no one will even know that she died?
|まどか「...誰も、マミさんが死んだこと、気付かないの?」
|まどか「...誰も、マミさんが死んだこと、気付かないの?」
|-
|-
|
|'''Homura''':||If someone dies in there, there is no corpse left behind.  She'll be deemed forever missing in this world.  ——That's what happens to magical girls in the end.
|ほむら「仕方ないわ。向こう側で死ねば、死体だって残らない。こちらの世界では、彼女は永久に行方不明者のまま。ーー魔法少女の最期なんて、そういうものよ」
|ほむら「仕方ないわ。向こう側で死ねば、死体だって残らない。こちらの世界では、彼女は永久に行方不明者のまま。ーー魔法少女の最期なんて、そういうものよ」
|-
|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Madoka looks down, tears overflowing once again.
|俯くまどか。再び涙が溢れてくる。
|俯くまどか。再び涙が溢れてくる。
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|-
|
|'''Madoka''':||... That's horrible.
|まどか「...ひどいよ」
|まどか「...ひどいよ」
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|-
|
|'''Homura''':||...
|ほむら「...」
|ほむら「...」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura watches Madoka chocking up in silence.
|鳴咽するまどかを、無言で見守るほむら。
|鳴咽するまどかを、無言で見守るほむら。
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|-
|
|'''Madoka''':||She fought alone to protect everyone... but no one will even realize she's dead...  That's terrible...
|まどか「みんなのために、ずっと独りぼっちで、戦ってきた人なのに...誰にも気付いてもらえないなんて、そんなの...寂しすぎるよ...」
|まどか「みんなのために、ずっと独りぼっちで、戦ってきた人なのに...誰にも気付いてもらえないなんて、そんなの...寂しすぎるよ...」
ほむら「そういう契約で、私たちはこの力を手に入れたの。誰のためでもない、自分自身の祈りのために戦い続けるのよ。誰にも気付かれなくても、忘れ去られでも、それは仕方のないことだわ」
|-
|-
|
|'''Homura''':||That's the nature of the contract that grants us the power we hold.  We don't fight to protect people.  We fight for the sake of our own wishes.  If our deaths go unnoticed by others and we're ultimately forgotten by this world, then that's just how it is.
|ほむら「そういう契約で、私たちはこの力を手に入れたの。誰のためでもない、自分自身の祈りのために戦い続けるのよ。誰にも気付かれなくても、忘れ去られでも、それは仕方のないことだわ」
|-
|'''Madoka''':||I'll... remember.
|まどか「わたしは...覚えてる」
|まどか「わたしは...覚えてる」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Madoka wipes her tears away, so her answer can be loud and clear.
|涙を拭いて、きっぱりと言うまどか。
|涙を拭いて、きっぱりと言うまどか。
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|-
|
|'''Madoka''':||I'll never forget about Mami-san... Never!
|まどか「マミさんのこと、忘れない...絶対に」
|まどか「マミさんのこと、忘れない...絶対に」
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|-
|
|'''Homura''':||I see...
|ほむら「そう...」
|ほむら「そう...」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura shrugs, hollow, fill with self-mockery.
|虚ろに、やや自嘲的に肱くほむら。
|虚ろに、やや自嘲的に肱くほむら。
|-
|-
|
|'''Homura''':||TOmoe Mami's lucky to have someone who thinks that.  Enough to make me jealous.
|ほむら「そう言ってもらえるだけ、巴マミは幸せよ。羨ましいほどだわ」
|ほむら「そう言ってもらえるだけ、巴マミは幸せよ。羨ましいほどだわ」
|-
|-
|
|'''Madoka''':||... You too, Homura-chan!
|まどか「...ほむらちやんだって!」
|まどか「...ほむらちやんだって!」
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Sadden by Homura's empty words, Madoka responds with conviction.
|ほむらの空虚な語調に、なぜか無性に切なくなり、まどかは強く断言する。
|ほむらの空虚な語調に、なぜか無性に切なくなり、まどかは強く断言する。
|-
|-
|
|'''Madoka''':||I'll never forget about you either!  I'll never forget... how you saved us yesterday!
|まどか「ほむらちゃんのことだって、わたしは、忘れないもん!昨日、助けてくれたこと...ぜったい忘れたりしないもん!」
|まどか「ほむらちゃんのことだって、わたしは、忘れないもん!昨日、助けてくれたこと...ぜったい忘れたりしないもん!」
|-
|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura stops, sadness wells up inside her, emotions she can bare no longer or hide.  (Memories of the timelines past that Madoka doesn't remember, Madoka's causal words weight heavily in Homura's heart.)
|立ち止まるほむら。湧き上がる悲しみを堪えきれなくなり、俯いて表情を隠す。(別の時間軸を記憶していないまどかにしてみれば、それは何の悪意もない言葉だが、ほむらにとっては胸を块られる発言である)
|立ち止まるほむら。湧き上がる悲しみを堪えきれなくなり、俯いて表情を隠す。(別の時間軸を記憶していないまどかにしてみれば、それは何の悪意もない言葉だが、ほむらにとっては胸を块られる発言である)
|-
|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura turns around to face Madoka, looking noticeably different.
|ほむらの様子の異変に気付き、立ち止まって振り向くまどか。
|ほむらの様子の異変に気付き、立ち止まって振り向くまどか。
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|-
|
|'''Madoka''':||... Homura-chan?
|まどか「...ほむらちゃん?」
|まどか「...ほむらちゃん?」
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|'''Homura''':||... You're too kind.
|ほむら「...あなたは、優しすぎる」
|ほむら「...あなたは、優しすぎる」
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|'''Madoka''':||Huh?
|まどか「え?」
|まどか「え?」
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| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura stares, her face rigid, daunting.  Madoka can only wait.
|ほむら、敢えて硬い表情を繕って顔を上げ、まどかを見据える。
|ほむら、敢えて硬い表情を繕って顔を上げ、まどかを見据える。
|-
|-
|
|'''Homura''':||Don't forget... that kindness can sometimes bring forth an even greater sadness.
|ほむら「忘れないで。...その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ」
|ほむら「忘れないで。...その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ」
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|'''Madoka''':||...?
|まどか「...?」
|まどか「...?」
|-
|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Madoka doesn't have a faintest idea of what to think.
|まどか、何のことやら皆目見当もつかない。
|まどか、何のことやら皆目見当もつかない。
|-
|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Homura turns around and leaves in a different direction.
|ほむらはそのまま踵を返し、違う道へと去っていく。
|ほむらはそのまま踵を返し、違う道へと去っていく。
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|-
| colspan="2"|
| colspan="2"|Unable to say a word, Madoka gives up on saying goodbye.
|かける言葉もなく、見送るしかないまどか。
|かける言葉もなく、見送るしかないまどか。


|-
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|}
|}
==Part B==
==Part B==



Revision as of 04:27, 17 February 2013

Part A

Kyousuke Hospital Room (Past)

Kyousuke Hospital Room (Past) 恭介の病室(過去)
Sayaka drops by for a visit, but the bed lies empty. 見舞いに訪れるさやか。だがベッドは空。
Nurse A walks pass in the hallway and notices the situation. その様子を、廊下を通りがかった看護師Aが見各める。
Nurse A: Oh, are you here to see Kamijou-kun? 看護師A「上条くんのお見舞い?」
Sayaka: Y-Yeah... さやか「ええ...」
Nurse A: I'm sorry, but his examination schedule was moved up, so he's in Physical Therapy right now. 看護師A「ああ、ごめんなさいね。診察の予定が繰り上がって、今ちょうどリハビリ室なの」
Sayaka: Oh, I see... Thank you. さやか「ぁ、そうでしたか。...どうも」
Visibly disappointed, Sayaka leaves after a bow. ややしょんぼりしながら、会釈して去るさやか。
Nurse B walks by. They watch together as Sayaka leaves. そこへさらに通りかかる看護師B。Aと二人でさやかの背中を見送る。
Nurse B: She sure visits a lot, doesn't she. 看護師B「良く来てくれるわよね。あの子」
Nurse A: I'm glad she does. That patient is in a difficult mental condition.... I hope she's cheering him up. 看護師A「助かるわ。難しい忠者さんだしね。...励ましになってくれてるといいんだけど」

Rehab Center (Past)

Rehab Center (Past) リハビリ家(過去)
Kyousuke is undergoing gait training. He looks grim, pushing forward reluctantly. 歩行訓練をしている恭介。だが表情は暗く、渋々やらされている様子でいる。
Nurse B: (Off Screen) He was a violin prodigy before the accident, right? 看護側B off「事故に遭う前は、天才少年だったんでしょ?バイオリンの」
Nurse A: (Off Screen) Even if he were able to walk again, he'll never be able to play an instrument for the rest of his life. 看護師A off「歩けるようになったとしても、指の方はねえ...もう二度と楽器を弾くなんて、無理でしょうね」

Hospital - Elevator (Past)

Hospital - Elevator (Past) 病院、エレベーター内(過去)
In an elevator heading down the lobby, Sayaka rides alone. 一階ロビーへと戻るエレベーターの中。一人きりで乗つているさやか。
Sayaka: (Voice Over) ... Why did it have to be Kyousuke? さやかM 『...なんで、恭介なのよ?』
Sayaka looks down at her hand suddenly, flexes her fingers, looking chagrined. ふと自分の左手を見下ろす。自在に動く5本の指を、悔しそうに握りしめる。
Sayaka: (Voice Over) My fingers work perfectly, but what good are they...? Why couldn't it have been me instead of Kyousuke? さやかM 『あたしの指なんて、いくら動いたって何の役にも立たないのに...なんであたしじゃなくて、恭介なの?』
Sayaka pauses to calm her mind, reconsidering her feelings. だがそこで、気持ちを静めて考え直すさやか。
Sayaka: (Voice Over) If I used my wish to heal his body, what would he think about that...? さやかM 『もしもあたしの願い事で、恭介の身体が治ったとして...それを恭介は、どう思うの?』
Sayaka recalls a smiling Kyousuke, sitting at his hospital room with piles of CDs she bought for him surrounding him. 病室での恭介の笑顔と、彼のために買い集めてきたCDの山を思い出す。
Sayaka: (Voice Over) Would he just thank me, nothing more? Maybe I jus want him to say something else? さやかM 『ありがとうって言われて、それだけ? それとも、それ以上のことを言ってほしいの?』
Sayaka hates herself for having these thoughts. 考えを巡らすうちに、自己嫌怒に駆られるさやか。
Sayaka: ...I'm such a horrible person. さやか「...あたしって、嫌な女だ」

Hospital - Biycle Parking

Hospital - Biycle Parking 病院裏の駐輪場
After Episode 3. 三話ラスト直後。
Homura walks away, Grief Seed in hand. グリーフシードを手に立ち去っていくほむら。
Sayaka in tears, full of regret. Madoka looks dazed. それを悔し泣きしながら見送るさやかと、放心しているまどか。
Sayaka: (Voice Over) Now that I think about it—— I was absolutely clueless back then. I didn't know what it meant to pray for a miracle, nor the price of one... さやかM『思えばーーそのときのあたしは、まだ何も分かっていなかった。奇跡を望む意味も、その代償も...』

Kaname Home - Dining Kitchen

Kaname Home - Dining Kitchen 鹿目家ダイニングキッチン
Scene of Kaname Family having breakfast together, same as Episode 1. 一話と同じ鹿目家の朝食の風景。
Junko drinks a cup of coffee while reading the newspaper and taking care of Tatsuya at the same time. Tomohisa sets the table diligently. タツヤの面倒を見つつ新聞を読みつつコーヒーを飲んでいる詢子と、甲斐甲斐しく配膳している知久。
Junko: (Is that a mole? There, got it.)
Madoka stares blankly at her fried egg. her focus lies elsewhere. だがまどかはぼんやりと目玉焼きを見つめるだけで、心ここにあらずの状態。
Memory of time she had spent with Mami until yesterday plays back in her mind. まどかの脳裏を過ぎるのは、昨日までマミと共に過ごした日々の記憶。
How Mami looked in her final battle. そして、マミを見舞った壮絶な最期。
Junko: ——Madoka? If you don't hurry up and eat, you'll be late to school. 詢子「ーーまどか。さっさと食べないと遅刻だぞ」
Hearing Junko, Madoka comes back to reality. 詢子の声に、はたと我に返るまどか。
Madoka: Y-Yeah... まどか「う、うん...」
Madoka pokes at the fried egg with chopsticks absentmindedly. 相変わらずぼんやりしたまま、目玉焼きに箸をつけるまどか。
Tears flow down from her cheeks as she take a bite. だが一口食べた途端に、ぽろりと涙がこぼれる。
Tomohisa:

Junko:

...? 知久、詢子「...?」
The parents finally noticed something strange with Madoka. さすがに様子がおかしいと気付く両親。
Madoka starts to shiver and cry uncontrollably. まどか、こらえきれずに、身を震わせてボロボロと泣き始める。
Even Tatsuya is bewildered by his sister. 姉の様子にきょとんとするタツヤ。
Tatsuya: What's wrong, Nee-chan? タツヤ「ねーちゃ、どったの?」
Tomohisa: D-Does it taste bad...? 知久「ま、不味かったかな...」
Madoka: ... No, it's good. It's really good... まどか「...ううん、おいしいの。すごく、おいしい...」
Madoka tries to answer, but her tears won't stop flowing. 返事しながらも、まどかの涙は止まらない。
Madoka: ...Dad's cooking tastes so good... because I'm alive... まどか「...生きてると...パパのごはんが、こんなに美味しい...」

Road to School

Road to School 通学路
Peaceful scene of students walking to school, nothing out of the ordinary. 普段と変わらない平和な通学の風景。
Madoka, Sayaka, and Hitomi are chatting and walking side by side. 並んで歩きながら談笑するまどか、さやか、仁美。
Rather than riding on Madoka's shoulder, today Kyubey follows right behind her. 今日のキユウべえはまどかの肩には乗らず、すぐ後ろをついて歩いている。
Sayaka is her usual self, talking lively, making Hitomi laugh. さやかはいつも通り活発に話題を振り、仁美を笑わせている。
Sayaka: So I kept telling Yuuka, but she just didn't get it! She was almost crying, like, "Huh? What? Did I say something weird again?" I was trying so hard not to laugh—— さやか「でもってユウカったらさあ、それだけ言ってもまだ気付かないのよ。『え? 何? ワタシまた変なこと言った?」とか半ベソになっちゃって、こっちはもう笑い堪えるのに必死でさー」
Madoka: ... まどか「...」
Madoka fakes a vague smile, paying no attention to the topic on hand. She calls out to Sayaka via Kyubey's telepathy. まどか、うすぼんやりした愛想笑いを浮かべたまま、話を聞き流しつつ、キユウベえ経由のテレパシーで、さやかに呼びかける。
Madoka: ... Sayaka-chan, about yesterday... まどか『...さやかちゃん、昨日のこと...』
Sayaka: ...Sorry, can we talk about it later? さやか『...ごめん。今はやめよ。また後で』
Despite the gloominess in her mental reply, her voice remains bright as always. 口調ばかりは明るさを保ったまま、思念では沈欝に答えるさやか。
Madoka: ... まどか「...」
Sayaka: (Totally weird, right?)
Hitomi: (Yeah, that's kind of...)
Sayaka is hiding her pain well, but the opposite is true for Madoka, whose suffering only grows. 上手く表面を取り繕えているさやかと、それができない自分との差に、ますます悲しくなるまどか。

Class in Session

Class in Session 授業風景
English lesson, proctored by Kazuko Saotome. 英語の授業。担当は早乙女和子先生。
Rules of English grammar visible on the blackboard. Not that it matters, Saotome is lecturing about something completely different. 黒板に書かれた英文法のテキストを解説しているかに見えて、実はまったく関係ないことを喋っている。
Saotomoe: So— while a woman's prime age for childbirth is based on medical fact, using this to determine whether she's of marriageable age is a huge mistake. Meaning that women over thirty clearly still have a chance for a loving marriage. Therefore, you shouldn't be using the past perfect here, but rather the present progressive tense—— 和子「えー、確かに出産適齢期というのは医学的根拠に基づくものですが、そこからの逆算で婚期を見積もることは大きな間違いなんですねー。つまり30歳を越えた女性にも恋愛結婚のチャンスがあるのは当然のことですから、したがってここは過去完了形でなく現在進行形を使うのが正解でーー」
Unable to concentrate on the lesson, Madoka glance briefly towards Sayaka. 授業に集中できないまどか。そっと横目にさやかを見遣る。
Sayaka refuses to look back, upsetting Madoka. あえてまどかと視線を合わそうとしないさやか。切なくなるまどか。
But Homura is keeping an eye on Madoka. そんなまどかの様子を、ほむらもまた見守っている。

Rooftop

Rooftop 屋上
Lunch break. The two girls sit side-by-side, leaning against a fence. Madoka looks up blankly at the sky. Sayaka looks focused, brooding over something. 昼休み。フェンス際に並んで腰を下ろし、よりかかっている二人。ぼんやりと空を見上げているまどか。思い詰めた表情のさやか。
Reading the mood, Kyubey understandably keeps itself at a distance. 空気を読んで、ほんの少しだけ間をおいて座っているキユウベぇ。
Madoka: It's like we're in a different world or something. まどか「なんか、違う国に来ちゃったみたいだね」
Sayaka: ... さやか「...」
Madoka: Even though nothing about the school or Hitomi-chan has changed since yesterday... now I feel like I'm surrounded by strangers. まどか「学校も、仁美ちゃんも、昨日までとぜんぜん変わってない筈なのに...なんだかまるで、知らない人たちの中にいるみたい」
Sayaka: That's because no one knows. さやか「知らないんだよ。誰も」
The coldness in her tone, completely opposite of the usual Sayaka, makes Madoka flinch back a little. 冷めた声で言い捨てるさやか。普段と述、っその口調に、やや怯むまどか。
Sayaka: We're the only ones who know about the witches and Mami-san. Nobody else does. It's like we're living in an entirely different world from them. さやか「魔女のこと、マミさんのこと。あたしたちは知ってて、他のみんなは何も知らない。それってもう、違う世界で、違うものを見て暮らしてるようなもんじゃない」
Madoka: ... Sayaka-chan? まどか「...さやかちゃん?」
Sayaka: Our world had changed long ago. We should've realized that sooner. さやか「とつくの昔に、変わっちゃってたんだ。もっと早くに気付くべきだったんだよ。あたしたちも」
Madoka: ... まどか「...」
Sayaka stares at a distant part of the sky. Madoka doesn't say a word in reply. 遠い眼差しで空を見つめるさやか。返す言葉もないまどか。
Sayaka: ... What about you, Madoka? Do you still want to become a magical girl? さやか「...まどかはさ、今でもまだ、魔法少女になりたいって思ってる?」
Kyubey: ... キユウベえ「...」
Kyubey focuses on Madoka as Sayaka ask. さやかの問いに、キユウベえもまどかに注目する。
Madoka: ... まどか「...」
Without the courage to say, "I hate it," Madoka stays silent, but Sayaka understands. 素直に『嫌だ』と言う勇気を出せないまどか。重い沈黙。察するさやか。
Sayaka: ... Yeah, I can't blame you for that. さやか「...そうだよね。うん、仕方ないよ」
Madoka: ... I know it's not fair. I know I'm just being selfish right now... まどか「...ずるいって、分かってるの。今さら虫が良すぎるよね...」
Overwhelmed by regret and empathy, Madoka breaks down in tears. まどか、悔しさと情けなきで涙を溢す。
Madoka: But... I just can't... Just remembering how she died... makes it hard to breathe... I'm so scared... I hate this... まどか「でも...無埋。...わたし、あんな死に方...今でも思い出しただけで、息ができなくなっちゃうの...恐いよ...嫌だよお...」
Sayaka leans close, embracing her head, huddling up tightly. さやか、隣にいるまどかの頭を抱き寄せ、肩を寄せあう。
Kyubey sits in silence, looking down. キユウべえも何も言えず、俯いている。
Sayaka: Mami-san was really kind. To show us what it takes to fight, she... さやか「マミさん、本当に優しい人だったんだ。戦うためにどういう覚悟がいるのか、あたしたちに思い知らせるために、あの人は...」
Madoka and Sayaka recall memories of Mami's lessons. マミへの追想に授るさやかとまどか。
Sayaka looks toward Kyubey after some time passed. さやか、ややあってからキユウべえを見る。
Sayaka: —— Hey, Kyubey. What's going to happen to this city? Who will protect everyone from the witches now that Mami-san's gone? さやか「ーーねえキユウベえ。この街、どうなっちゃうのかな?マミさんの代わりに、これから誰がみんなを魔女から守ってくれるの?」
Kyubey: This has been Mami's territory for a while now, but once the other magical girls find out, they won't stay back for now. It won't be long before one of them arrives to hunt witches. キユウベえ「永らくここはマミの縄張リだったけど、空席になれば他の魔法少女が黙ってないよ。すぐにも他の子が魔女狩りのためにやって来る」
Sayaka: But all they care about is finding Grief Seeds, right? Just like that transfer student. さやか「でもそれって、グリーフシードだけが目当ての奴なんでしょ? あの転校生みたいに」
Kyubey: ... It's true that Mami was a rare breed. Most people wold think about personal gain. Everyone wants to be rewarded for their actions. キユウベえ「...確かに、マミみたいなタイプは珍しかった。普通はちゃんと損得を考えるよ。だれだって報酬は欲しいさ」
Sayaka: So that means—
Before Sayaka can respond, Kyubey preempts her. さらに何か言おうとするさやかに対し、機先を制して言い足すキユウべえ。
Kyubey: But I think only other magical girls have the right to criticize that. キユウベえ「でもそれを批難できるとしたら、それは同じ魔法少女としての運命を背負った子だけじゃないかな」
Sayaka: ... さやか「...」
Sayaka has no answer to that. それを言われては返す言葉もないさやか。
Kyubey sighs and stands. キュゥべえは溜息をついて、立ち上がる。
Kyubey: I understand how you two feel. It's unfortunate, but I can't pressure you into it. I guess this is it. I need to go search for girls who need my contract. キユウベえ「君たちの気持ちは分かった。残念だけど、僕だって無理強いはできない。お別れだね。僕はまた、僕との契約を必要としてる子を探しに行かないと」
Madoka: ... I'm sorry, Kyubey. まどか「...ごめんね、キュゥベえ」
Kyubey: No, I'm sorry for getting you involved. It was short, but thank you, Madoka. It was fun. キユウベえ「こっちこそ、巻き込んで済まなかった。短い間だったけど、ありがとう。一緒にいて楽しかったよ、まどか」
With a wave, Kyubey disappears. Madoka repeats without looking. 手を振って、姿を消すキユウベえ。俯いたまま、繰り返すまどか。
Madoka: I'm sorry... まどか「ごめんね...」

Mami Apartment

Mami Apartment マミの住むマンション
Dusk. Madoka on the way from school. Standing before Mami's apartment, she rings the bell. Of course, no response came. 夕方。学校帰りのまどか。マミの部屋の前に立ち、チャイムを押す。だがもちろん反応はない。
Madoka hesitantly touch the door. Unlocked, the door opens. 遠慮がちにドアノプに触れるまどか。鍵はかかっておらず、ドアは開いてしまう。

Mami Room

Mami Room マミの部屋
The setting sun bathes the room in light. Even without anyone coming back, the room retains a strong scent of life. Half-drunk tea and a book left open litter the table. 夕陽が差し込む無人の室内。帰る者がいなくなっても、生活臭は色濃く残っている。テーブルには飲みかけの紅茶と読みかけの本が放置されていたりする。
Gently, Madoka places the notebook, on which she doodled her magical girl delusions, on the table. She turns back. まどかは、自分の魔法少女変身妄想を書き綴ったノートを、そっとテーブルの上に置いて、背を向ける。
Memories of playful chat with Mami in this very room returns. Madoka becomes teary once more. この部屋で談笑したマミの面影が蘇り、また涙を流すまとか。
Madoka: ...I'm sorry... I'm so weak... I'm sorry... まどか「...ごめんなさい...あたし、弱い子で...ごめんなさい...」
Alone, Madoka cries in solitude. 一人、孤独に泣き続けるまどか。

Mami Apartment

Mami Apartment マミの住むマンション
Entrance. Madoka leaves, her eyes swollen from crying. エントランス。泣き腫らした目で出てくるまどか。
Homura has been waiting at the side of road, surprising Madoka. Madoka panics as she try to wipe away remnants of her tears. すると道端に、ほむらが待ち構えている。やや面食らうまどか。泣いた痕跡を見咎められないかと慌てる。
Madoka: Ah... Homura-chan... まどか「ぁ...ほむら、ちゃん...」
Homura: You're blaming yourself too much for this, Kaname Madoka. ほむら「あなたは自分を責めすぎてるわ。鹿目まどか」
Madoka: ...Huh? まどか「...え」
Homura: No one can criticize the choices you've made. And even if they did, I wouldn't allow it. ほむら「あなたを批難できる者なんて誰もいない。いたら私が許さない」
Homura looks expressionless as usual, but her tone is rather gentle. ほむらは相変わらずの無表情だが、口調はむしろ優しい。
That surprised Madoka even more. その意外さにますます呆然となるまどか。
Homura: It seems you've taken my warning to heart. ほむら「忠告、聞き入れてくれたのね」
Madoka: ... Yeah. まどか「...うん」

Residential Street

Residential Street 住宅街
The way back. They walk side-by-side into the setting sun. 帰り道。夕陽の中を並んで歩く二人。
Madoka: ... If only I had listened to you sooner... まどか「...私が、もっと早くにほむらちゃんの言、つことを聞いてたら...」
Homura: That still wouldn't have changed Mami Tomoe's fate. ほむら「それで巴マミの運命が変わったわけじゃないわ」
Madoka: ... まどか「...」
Homura: But I was able to change yours. I'm glad to have saved at least one life. ほむら「でも、あなたの運命は変えられた。一人が救われただけでも、私は嬉しい」
Homura's unexpectedly emotional words leaves Madoka surprised. ほむらの、思いもよらない感情的な言葉に、驚きつつも、ほだされるまどか。
Madoka: Y-You know, Homura-chan... You seem like a veteran, but in a different way from Mami-san. まどか「ほむらちゃんは、さ...なんだか、マミさんとは別の意味で、ベテラン、って感じだよね」
Homura: Perhaps. I won't deny it. ほむら「そうかもね。否定はしない」
Madoka hesitates, finding this question difficult to ask. やや訊きづらい問いを口にする前に、少しだけ緊張するまどか。
Madoka: ... Have you seen a lot of people die like yesterday? まどか「...昨日みたいに、誰かが死ぬとこ、何度も見てきたの?」
Homura: Yes. ほむら「そうよ」
Madoka: ... How many? まどか「...何人、ぐらい」
Homura gaze at a distance for a while. ほむら、わずかに間をおいて遠い眼差しになる。
Homura: So many that I've lost count. ほむら「数えるのを諦めるほどに」
Madoka: ... まどか「...」
The careless way she answers, the heaviness of the response, Madoka doesn't know what to say. 素つ気ない、だが重すぎる返事に、しばし言葉を失、つまどか。
Suddenly, the hollow shell that was once Mami's room comes back to her. ふと、抜け殻のようだつたマミの部屋に思いを馳せる。
Madoka: I wonder if her room will stay like that forever... まどか「あの部屋、ずっと、あのままなのかな...」
Homura: Tomoe Mami had only distant relatives. I'm sure it'll be a while before anyone reports her missing. ほむら「巴マミには迷い親戚しか身寄りがいないわ。失除届が出るのは、まだ当分先でしょうね」
Madoka: ... So no one will even know that she died? まどか「...誰も、マミさんが死んだこと、気付かないの?」
Homura: If someone dies in there, there is no corpse left behind. She'll be deemed forever missing in this world. ——That's what happens to magical girls in the end. ほむら「仕方ないわ。向こう側で死ねば、死体だって残らない。こちらの世界では、彼女は永久に行方不明者のまま。ーー魔法少女の最期なんて、そういうものよ」
Madoka looks down, tears overflowing once again. 俯くまどか。再び涙が溢れてくる。
Madoka: ... That's horrible. まどか「...ひどいよ」
Homura: ... ほむら「...」
Homura watches Madoka chocking up in silence. 鳴咽するまどかを、無言で見守るほむら。
Madoka: She fought alone to protect everyone... but no one will even realize she's dead... That's terrible... まどか「みんなのために、ずっと独りぼっちで、戦ってきた人なのに...誰にも気付いてもらえないなんて、そんなの...寂しすぎるよ...」
Homura: That's the nature of the contract that grants us the power we hold. We don't fight to protect people. We fight for the sake of our own wishes. If our deaths go unnoticed by others and we're ultimately forgotten by this world, then that's just how it is. ほむら「そういう契約で、私たちはこの力を手に入れたの。誰のためでもない、自分自身の祈りのために戦い続けるのよ。誰にも気付かれなくても、忘れ去られでも、それは仕方のないことだわ」
Madoka: I'll... remember. まどか「わたしは...覚えてる」
Madoka wipes her tears away, so her answer can be loud and clear. 涙を拭いて、きっぱりと言うまどか。
Madoka: I'll never forget about Mami-san... Never! まどか「マミさんのこと、忘れない...絶対に」
Homura: I see... ほむら「そう...」
Homura shrugs, hollow, fill with self-mockery. 虚ろに、やや自嘲的に肱くほむら。
Homura: TOmoe Mami's lucky to have someone who thinks that. Enough to make me jealous. ほむら「そう言ってもらえるだけ、巴マミは幸せよ。羨ましいほどだわ」
Madoka: ... You too, Homura-chan! まどか「...ほむらちやんだって!」
Sadden by Homura's empty words, Madoka responds with conviction. ほむらの空虚な語調に、なぜか無性に切なくなり、まどかは強く断言する。
Madoka: I'll never forget about you either! I'll never forget... how you saved us yesterday! まどか「ほむらちゃんのことだって、わたしは、忘れないもん!昨日、助けてくれたこと...ぜったい忘れたりしないもん!」
Homura stops, sadness wells up inside her, emotions she can bare no longer or hide. (Memories of the timelines past that Madoka doesn't remember, Madoka's causal words weight heavily in Homura's heart.) 立ち止まるほむら。湧き上がる悲しみを堪えきれなくなり、俯いて表情を隠す。(別の時間軸を記憶していないまどかにしてみれば、それは何の悪意もない言葉だが、ほむらにとっては胸を块られる発言である)
Homura turns around to face Madoka, looking noticeably different. ほむらの様子の異変に気付き、立ち止まって振り向くまどか。
Madoka: ... Homura-chan? まどか「...ほむらちゃん?」
Homura: ... You're too kind. ほむら「...あなたは、優しすぎる」
Madoka: Huh? まどか「え?」
Homura stares, her face rigid, daunting. Madoka can only wait. ほむら、敢えて硬い表情を繕って顔を上げ、まどかを見据える。
Homura: Don't forget... that kindness can sometimes bring forth an even greater sadness. ほむら「忘れないで。...その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ」
Madoka: ...? まどか「...?」
Madoka doesn't have a faintest idea of what to think. まどか、何のことやら皆目見当もつかない。
Homura turns around and leaves in a different direction. ほむらはそのまま踵を返し、違う道へと去っていく。
Unable to say a word, Madoka gives up on saying goodbye. かける言葉もなく、見送るしかないまどか。

Part B

Kyousuke Hospital Room

Kyousuke Hospital Room 恭介の病室
ベッドの上で、ヘッドホンを嵌め、窓の外の夕陽を眺めている恭介。ベッドサイドの椅子にはさやか。手には、今日も土産に買ってきたクラシックのCD。
さやか「...何を聴いてるの?」
恭介「亜麻色の髪の乙女」
さやか「...ああ、ドビュッシー? 素敵な曲だよね...」
返事はない。やや重い沈黙。戸惑いながらも言葉を続けるさやか。
さやか「ぁ、あたしって、ほら、こんなだからさあ、クラシックなんて聴く柄じゃないだろって、みんなが思うみたいでき。たまに曲名とか言い当てたら、すっごい驚かれるんだよね。意外すぎて尊敬されたりして、さ...」
恭介「...」
さやか「...恭介が、教えてくれたから...でなきゃあたし、こういう音楽ちゃんと聴こうと思うきっかけなんて、たぶん一生なかっただろうし...」
恭介「...さやかは、さ」
固い声で割り込んでくる恭介。さやか、思わず黙る。
さやか「...なあに?」
恭介「さやかは、僕をいじめてるのかい?」
さやか「...」
さやか、いったい何を言われたのかすぐには理解できず、硬直する。
振り向いてさやかを見る恭介。冷たい怒りの眼差し。
恭介「なんで今でもまだ僕に音楽なんか聴かせるんだ?嫌がらせのつもりなのか?」
訳も解らず、うろたえるさやか。
さやか「だって恭介、音楽が好きだから...」
恭介は、まるで自分の気持ちが通じていないことに、とうとう癇癪を起こす。
恭介「もう聴きたくなんかないんだよ!自分で弾けもしない山、ただ聴いてるだけなんて...僕は、僕は...」
怒りに任せて、左手をCDプレーヤーに叩きつける恭介。
皮膚が裂けて血が流れ、プレーヤーは粉々に。
さやか「ゃ、やめてッ!」
慌てて恭介の左腕を掴み、制止するさやか。
恭介、悔しさの余り泣き崩れる。
恭介「...動かないんだ...もう、痛みさえ感じない...こんな手なんて...」
さやか「大丈夫だよ。きっと何とかなるよ」
さやか、恭介を励ましたい一心で、無理と知りつつ虚しい激励を続ける。
さやか「諦めなければ、きっといつかーー」
恭介「諦めろって、言われたのさ」
泣きながら鼻を鳴らして自嘲する恭介。
恭介「もう演奏は諦めろってさ。先生から直々に言われたよ。今の医学じゃ無理だって」
さやか「...」
恭介「僕の手は、もう二度と動かない。奇跡か魔法でもない限り、治らない...」
やるせない想いに囚われていたさやかの眼差しに、ついに決意の光が灯る。
さやか「...あるよ」
恭介「...?」
さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
窓の外を見遣るさやか。
ベランダの手摺リに腰掛けてこちらを覗っているキユウベえの姿が、さやかの日にだけは見える。

Night - Shopping Center Station

Night - Shopping Center Station 駅前商店街、夜
雑踏の中、帰路を急ぐまどか。
頭の中では、先刻のほむらとの会話がリフレインしている。
まどか「ほむらちゃん...ちゃんと話せば、お友達になれそうなのに...どうしてマミさんとはケンカになっちゃったのかな...」
ふと、少し先の人混みの中に、クラスメイトの仁美の姿があるのに気付くまどか。
まどか「あれ? ...仁美、ちゃん?」
小走りに追いついて、声をかけようとするまどか。
まどか「仁美ちゃん、今日はお稽古事はーー」
仁美「...」
仁美、まどかの声など聞こえていないかのように無視。
様子が変だと気付くまどか。そして仁美の首筋に、二話のOLと同じほ女の刻印を見咎める。
まどかM『!あれ...あのときの人と同じ!?』
慌てて仁美の前に回り込み、制止しようとするまどか。
まどか「仁美ちゃん!ねえ、仁美ちゃんってば!」
ぼんやりしていた仁美の眼差しが、ようやく焦点を結ぶ。
仁美「ーーあら、鹿目さん、ごきげんよう」
まどか「ど、どうしちゃったの?ねえ、どこに行こうとしてたの?」
仁美「どこって、それはーー」
何かに魅入られた眼差しで、艶然と微笑む仁美。
仁美「ここよりも、ずっと良い場所、ですわ」
まどか「仁美ちゃん...」
仁美「ーーああ、そうだ。鹿目さんも、ぜひご一緒に。ええ、そうですわ。それが素晴らしいですわ」
にこやかに眩いて、再び歩き出す仁美。まどかも放ってはおけず、仕方なくついていく。
まどかM「どうしよう...これって、まさか...』

City Outskirts

City Outskirts 街外れ
次第に繁華街を外れていく仁美。
気がつくと仁美の他にも、一人、また一人と同じ方向へ歩いている人々がいるのに気付くまどか。
皆、首筋には魔女の刻印が刻まれている。
まどかM 『ほむらちゃんに連絡できたら...ああ、駄目だあ、携帯の番号、わかんない...』
やがて一行は、郊外のうらぶれた小さな町工場へ。

Small Factory

Small Factory 小さな町工場
作業場では、窶れた工場長とその家族が座リ込み、ブツブツと誠言を呟いている。
工場長「そうだよ...俺ア駄目なんだ...こんな小さな工場ひとつ、満足に切り盛リできなかった:::今みたいな時代にさあ...俺の居場所なんて、あるわけねえんだよなあ...」
街から工場までやってきた人々、総勢15人余り。全員が作業場に入ったところで、シャッターが下ろされ、部屋が密閉される。
工場長の奥さんがバケツを用意し、そこにトイレ用の洗剤を注ぎ始める。
さらに別の一人が、持ち寄った塩素系漂白剤を手にして進み川る。
x x ×
まどかの回想。洗面所で危険な洗剤についてレクチャーする詢子。
詢子「いいか、まどか? こういう塩素系の漂白剤はな、他の洗剤と混ぜるととんでもなくヤバいことになる。あたしら家政全員、猛毒のガスであの世行きだ。絶対に間違えるなよ」
× x x
ようやく、彼らが何をしようとしているのか理解するまどか。
まどか「だ、駄目...それは駄目ッ!」
駆け寄って阻止しようとするまどかの手を、仁美が掴む。
仁美「邪魔してはいけません。あれは神聖な儀式ですのよ」
まどか「だって!ぁ、あれ危ないんだよッ。ここにいる人たちみんな死んじゃうよ!」
仁美「そう、私たちはこれからみんなで素晴らし世界へ旅に出すの。それがどんなに素敵なことか分かりませんか? 生きてる身体なんて邪魔なだけですわ。鹿目さん、あなたもすぐに分かりますから」
仁美の言葉に、周囲の人々が気怠げな拍手を送る。
まどか「はーーな、してッ!」
まどか、力ずくで仁美の手を振り払い、洗剤を入れたバケツを奥さんから奪い取る。
そしてそのまま窓へと駆け寄り、ガラスを割って、バケツを中身ごと外へと投げ捨てる。
ボトリ、漂白剤のボトルを取り落とす自殺志願者。
まどか「ーーふう」
安堵の吐息をつくまどか。だがすぐさま、猛烈な憎しみの気配に身を竦ませ、振り向く。
工場に集まった人々が、みな一様に日を殺意で淡らせ、まどかを包囲している。
まどか「つ...ツ」
怯えながらも、退路を探すまどか。幸いにもすぐ隣にドアが。
考える暇もなくドアの中へと逃げ込むまどか。問一髪、殺到してくる暴徒たち。

Factory Storeroom

Factory Storeroom 町工場の物置
咄嗟にドアの鍵をかけるまどか。外から大勢がドアを殴る音。
だがようやく周囲を見渡すことができたまどかは、逃げ込んだのが、窓一つない小さな物置だと気付く。絶体絶命。
まどか「ど、どうしよう...どうしよう...」
狼狽するまどかのリの前で、部屋の片隅の空間が、妖しく盃む。
結界が聞き、魔女が現れる前兆だと気付いて、こんどこそ恐怖に囚われるまどか。
まどか「ゃ、やだ...そんなツ」
部屋の反対側の隅まで追い詰められ、腰を抜かすまどか。
だが異界化はじわじわと進行し、まどかの周囲の空間を侵食していく。
まどか「ーーいやだ...助けて...誰か...」
ついに周囲は完全に異界化。結界に取り込まれたまどかの前に、魔女が姿を現す。
まどか「...ツ!!」
悲鳴を噛み殺すまどか。
だがその脳裏には、諦観に冷めきった声が湧く。
まどかM『罰なのかな...これって』
記憶を掠めるマミのイメージ。
マミと交わした誓いの言葉と、その直後に訪れた無惨な離別。
まどかM「きっと、わたしが弱虫で、嘘つきだったから...バチが当たっちゃったんだ」
観念するまどか。泣きべそをかいたまま放心し、目を閉じる。
迫る魔女ーーだがそこに、闇を切り裂く光。
魔女「ギヤアアアツ!!」
魔女の絶叫に、驚いて目を見開くまどか。
目の前には、たった今、魔女に会心の一撃を叩き込んだばかりの魔法少女が剣を構えている。
変身したさやかである。
まどか「...え?」
さやか、立て続けに剣で斬りつける。荒削りで力任せのフアイテイングスタイル。だがその勢いに圧倒され、魔女は手も足も出ない。
さやか「これでーートドメだあツ!」
さやかの必殺技が炸裂。
絶叫とともに消滅していく魔女。

City Outskirts

City Outskirts 街外れ
魔女の気配を察知して、夜道を駆けているほむら。
だが、目指す町工場の前まで来たところで、魔力が一気に散逸していくのを感知し、眉をひそめる。
ほむら「結界が...消えた?」

Factory Storeroom

Factory Storeroom 町工場の物置
結界は解け、普通の空間に。物置の壁には大穴が開き、外の街路が見えている。(さやかが乱入するため彼壊した)
またドアを隔てた作業場では、仁美や工場長ほか、魔女に呼び寄せられた人々が全員、気を失って倒れている。
目の前の出来事がまだ信じられないでいるまどか。
まどか「さやか...ちゃん?」
さやか「やー、ごめんごめん。危機一髪ってとこだったね」
魔法少女スタイルのまま、普段の快活さで、まどかにニツコリと笑いかけるさやか。
まどか「その格好...」
さやか「ん?あー、アハハ、まあ、何? 心境の変化、っていうのかな」
まどか「...」
不安げなまどか。それを励ますように、優しく微笑むさやか。
さやか「ーー大丈夫だって。初めてにしちゃ、上手くやったでしょ?あたし」
まどか「でも...」
そこへ、壁の大穴から、用心深い足取りでほむらが中に踏み込んでくる。
さやかの格好を見た途端、しまった、という顔で歯噛みするほむら。
ほむら「あなたは...」
さやかもほむらに対し、挑発的な笑みを投げかける。
さやか「ふん、遅かったじゃない。転校生」
まどか「ぁ...」
さっそく敵意剥き山しの二人を見比べて、ますます不安に苛まれるまどか。

Kyousuke Hospital Room

Kyousuke Hospital Room 恭介の病室
消灯時間を過ぎた、閣の中。
ふと違和感に目を覚ます恭介。
恭介「...ん...?」
月明かりの中で、掲げた左手の指が、確かな手応えとともに動く。
寝惚け限のまま、ぼんやりとその奇跡を眺める恭介。

Suburbs - Transmission Tower

Suburbs - Transmission Tower 郊外・送電塔
繁華街の灯を遠くから見下ろす送電塔の頂上。
突風に煽られながら、平然と腰掛けて、クレープをむしゃむしゃ食べている魔法少女ーー佐倉杏子。
その隣には並んでキユウベえが座っている。
キユウベえ「まさか、キミが来るとはね...」
杏子「マミの奴がくたばったって聞いたからさ7、わざわざ出向いてやったってのに...何なのよ、ちょっと話が違うんじゃない?」
キユウベえ「悪いけど、この土地にはもう新しい魔法少女がいるんだ。ついさつき契約したばかりなんだけどね」
杏子「何ソレ? ちょおムカツク...」
鼻を鳴らして、遠くの街を眺める杏子。
杏子「でもさー、こんな絶好の縄張リ、みすみすルーキーのヒヨッコにくれてやるつてのも癪だよねえ」
キユウベえ「どうするつもりだい?杏子」
杏子「決まってんじゃん」
キユウべえに向けて、邪な笑顔を投げかける杏子。
杏子「要するに、ブッ潰しちゃえばいいんでしょ?その子」